~宗像国際環境100人会議に参加しました~
8月25日~27日の3日間、環境問題に取りくむ行政や学校、市民団体、企業などが集い「宗像国際環境100人会議」が開催されました。「森・里・川・海」といった重要な自然環境とどう共生していくか、どのように次世代に残していけばよいか、などをテーマにシンポジウムやグループワークなどを行う環境イベントです。うみがめクラブは8月26日のフィールドワーク・分科会に参加しました。フィールドワークでは、『竹漁礁作り』と『海岸漂着物清掃』とがあり、二手に分かれて参加させていただきました。
竹漁礁づくりは水産高校が進めるT-Projectの一環で、外来種の孟宗竹が侵入し貧栄養化してしまった里山を手入れし、その際に出た竹を、漁礁として海に沈めて魚やイカの産卵床とするプロジェクトです。大きな竹を割ってドーム型に組立て、重りを付けて玄界灘に沈めました。ダイバーが観察したところ、竹漁礁を沈めた直後から早速コアジの群れが集まってきたそうで、「陸の廃棄物で海の砂漠化を食い止める」という素敵なプロジェクトでした。
漂着物清掃では、宗像市長をはじめ福岡県、宗像市、福津市、九州大学、福岡県留学生会、地元の参加者の皆様が100人ほど集まり、海岸に散乱するゴミを集めました。冷蔵庫などの家電ゴミ、ブイや漁網などの漁業ゴミのほか、ビールの空き缶や食べかすなどのバーベキューのゴミもあり、参加者は汗を流しながら一生懸命ゴミを集めていました。
九州大学の清野博士より、漂着ゴミを回収する際の注意も学びました。薬品ビンなどの危険物はもちろんですが、中国の漁網には、日本では禁止されている「鉛を使った浮き」が付けられており、劣化した鉛の浮きを素手で触ると、怪我をする恐れがあるそうです。写真のような「青い浮き」は危険ゴミの可能性が高いので注意しなければなりません。さらに、漁網にも鉛の粒が練りこまれているものがあり、浜辺で焼却処分をしてしまうと鉛が流出するそうです。
また、『マイクロプラスチック』の分類と回収のレクチャーもありました。砂浜に打ち上げられた小枝や海藻の塊には、発砲スチロールの破片やプラスチックペレットなどの微小なゴミがたくさんまぎれています。小さくて目立たず、拾い集めるのは難しいですが、水に浮くという性質を利用して回収することができます。
これらのマイクロプラスチックは、流れ藻などの浮遊物周辺に集まるため、流れ藻を隠れ家とする魚やウミガメが誤飲してしまいます。海の動物の死体を解剖すると、胃から大量のプラスチックが出てくるなど、自然界に多大な影響を与えてしまっているのが現状です。まずはできる人ができることから、できない人も、このような現状を広めていくだけでも環境保全の第一歩となります。回収したマイクロプラスチックは光陵高校で展示する予定です。生徒や保護者、光陵祭の来場者など、多くの方に見てもらいたいと思います。
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