~平成28年12月16日
カスミサンショウウオ調査活動会が行われました~
今年度もカスミサンショウウオ産卵調査の時期となりました。調査に先駆けてプロジェクト関係者および地域の参加者が集まり、調査活動会が行われました。福津市中央公民館にて、西南学院大学の山根明弘先生による講演会を聴講後、ビオトープでの産卵場整備を行いました。
講演会では、カスミサンショウウオの基本的生態や生息地の特徴、北九州地区の遺伝的多様性などについてお話していただきました。カスミサンショウウオは人里近くに生息する特徴が災いし開発の打撃を受けて絶滅危惧種となってしまいましたが、行動半径が狭いため、神社や公園など手つかずの水辺が残っている場所には個体群が生き残っています。それぞれの個体群はそれぞれの土地で遺伝子変異をしていき、その遺伝子の多様性が環境変化から種を守ってくれる役割を担っていることなどを学びました。
続いて、ビオトープに移動して産卵場の整備と生きもの観察会が行われました。1年の間に流れ込んで積もった泥が水の流れをせき止めていたため、湿地周辺の泥を取り除き水路を確保する作業を行いました。ビオトープの池は浅く、水路が機能しないと十分に水が行き渡らなくなる可能性があります。参加者が力を合わせて泥を除き、カスミサンショウウオの卵が元気に発育できるよう産卵場を整備しました。
作業終了後は福岡県保健環境研究所の中島先生による水生生物解説が行われ、マツモムシとミズムシの見分け方などを教えていただきました。また、カスミサンショウウオの成体も発見されました。まだ本格的な繁殖体制には入っていないようでしたが、ビオトープで元気に生息している姿を見ることができ、参加者一同嬉しい一日となりました。
今年入学した一年生は初めての産卵調査ですが、3月の繁殖期終了まで寒さに負けずしっかりと調査をしていきたいと思います。
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