今年の1月11日、衰弱して動けないアカウミガメが勝浦浜海岸に漂着し、福岡市の水族館「マリンワールド海の中道」に運ばれて保護されました。半年間、飼育してきたマリンワールドによると、発見された時には45キロだったアカウミガメの体重も52キロに増え、甲羅にあった傷も癒えたので、放流しても大丈夫と判断されました。放流は、沖ノ島などの世界遺産登録1周年の福津市記念イベントに合わせて、7月16日の「海の日」に市内の白石浜海岸で行われることになりました。
そして、連絡を受けた「うみがめクラブ」もこのイベントに参加することになりました。参加にあたって、事前にアカウミガメの様子を見学に行くことになりました。マリンワールドでは、うみがめの扱い方、えさの与え方などを教えていただき、また甲羅の汚れを取るなどの世話までさせていただきました。
当日は、『うみがめ放流イベント』に来られた約200名の見学者が見守る中、大きなケースに入ったアカウミガメを「うみがめクラブ」の部員の手によって運びました。潮の香りや波の音を感じたのか、アカウミガメは、急にバタバタと動き出し、今にも飛び出しそうになるなか、部員でそれを抑えながら、やっとのことで砂浜に無事到着することができました。
午後4時、いよいよ放流。みんなに見守られながら放たれたアカウミガメは、波打ち際まで力強く進むと、海中に入るや否や、ひれをひとかきしたかと思ったら、あっという間に海の中へ消えてしまいました。無事海に戻ったアカウミガメを見送りながら、一同ホッと胸をなでおろしていました。
見守っていたうみがめクラブの部長は『私は、放流される予定のウミガメに初めて会った時、きっと元気な状態で保護されたんだなと思いました。しかし、保護した当初のお話を聞いて驚くとともに、放流できるまで回復したことを心から嬉しく思いました。そして、ウミガメが海に帰っていく後ろ姿を見て、これからも「うみがめクラブ」の名に恥じぬよう、生き物たちについて学び、その大切さを地域に広める活動をしていこうと改めて決意しました』と語っています。
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