~平成29年6月4日手光ビオトープでザリガニ釣り(外来種駆除)&観察会に参加しました~
カスミサンショウオの繁殖地でもある「手光ビオトープ」ですが、実は外来種も生息しています。子供たちに人気のアメリカザリガニは、戦後の食糧難を解決するために輸入された食用ガエル(ウシガエル)の餌として日本に連れてこられました。しかし、養殖場から逃げ出し、ウシガエルと共に日本各地で在来の生きものたちを脅かしている『外来種』です。
日本には北海道~東北を中心にニホンザリガニが生息しています。しかし、アメリカザリガニがあっという間に日本中に広がり、在来種であるニホンザリガニは絶滅の危機に瀕してしまいました。赤くないザリガニを「ニホンザリガニ」だと間違える人もいますが、アメリカザリガニの若齢個体は赤くありません。九州地域はもともとザリガニが生息していなかったので、福岡県で発見される個体は全てが外来種です。
まず初めに1時間程度水路の汚泥や藻の除去を行った後、子供たちを迎え、福岡保健環境研究所の中島淳博士より「なぜザリガニ釣り(外来種の駆除)が必要なのか」について、背景や環境影響などの講義をしていただきました。次いで、木の枝とタコ糸、スルメを使って釣り竿を自作し、ザリガニ釣りを行いました。残念ながら、うみがめクラブ部員は釣り上げることができませんでしたが、一人で何匹も釣った小学生もいて、子供も大人も大いに盛り上がっていました。
釣りと並行して、あらかじめ仕掛けていたカニ篭とモンドリの引き上げも行い、釣りと併せてアメリカザリガニ、モクズガニ、スクミリンゴガイ、ヒメタニシの4種を採集することができました。このうち、アメリカザリガニとスクミリンゴガイは外来種のため、研究所に持ち帰り研究用や試食用として利用されるそうです。
外来種とはいえ、罪のない生きものの命を無駄にしないためにも、『採集した個体を別の場所へ移動させない』『ペットとして飼育する場合は最後まで(寿命まで)責任を持って面倒を見る』など、皆がルールを守って生きものと接することが大切です。 |